相続した不動産の売却
相続が発生した時の登記・不動産売却についてご説明していきます。親がなくなったら、葬儀や生命保険の請求手続き、携帯電話や公共料金などの解約や名義変更など、さまざまなことと並行して、10ヶ月以内に相続税を納付しないといけません。いざ相続に直面したときにスムーズに対応できるよう、相続発生から相続完了まで一般的にはどのような流れなのかをまずご説明していきます。また相続した不動産について、使う可能性があればいいですが、空き家になるようならできるだけ早めにに売却することをお勧めします。3年以内でしたら譲渡所得税の優遇を受けることができるかもしれませんし、空き家を放置しておくと民法の工作物責任の問題も出てきます。
まずは相続税の計算を事前にしておきましょう。
以下、財産ごとの評価額の算出方法を記載してありますので、目安として計算してみてください。詳細は税理士の先生にご依頼されることをお勧めします。近年物価が上昇してきており、今まで相続税にご縁が無かった方も、不動産を所有されている方は該当する可能性が高くなってきていますので、この際に自分が相続税の対象になるかどうかご確認ください。
課税される人の判定
相続人は民法によってその範囲と順位が決められています。そのため家系図を最初に作成して誰が相続人になるかを判定します。
次に順位に応じて法定相続分を判定します。
次に相続税の納税義務者、及び課税財産の範囲を判定します。日本に住んでいなかったり、海外に資産を保有している場合、どこまで相続税の対象になるかを確認します。
被相続人の財産の相続税評価額を算出
まずは被相続人の資産をリスト化する。
それぞれの相続税評価額を算出
生命保険についても
不動産の評価方法
家屋 財産評価基本通達(評通88・89)
家屋の価格は原則として一棟の家屋ごとに評価し、倍率方式が適用されます。またその倍率は「1.0」のため、その家屋の固定資産税評価額がそのまま相続税を算出する場合にあっても評価額になります。
上場株式等の評価
非上場株式の評価 ※取引相場のない株式の評価方法
財産評価基本通達によると
財産評価の概要 ※邦貨換算
TTB(Telegraphic Transfer Buying Rate)
外貨を円に変換するときのレート
金融機関が顧客から外貨を買う際のレート。
海外の銀行口座の預金や海外に不動産を所有している方はこのレートを使って円に変換して相続税の財産評価をする。
TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate)
円を外貨に変換するときのレート
金融機関が顧客に外貨を売る際のレート。
海外の銀行での借入があり、債務控除計算をする際に使用する。
すべて算出して相続税額が分かり、かなりの額になるようならそこで初めて相続税対策として何ができるかを検討する。
全体像を把握して、それぞれの財産の評価額が分からないと対策のしようがない。
目次
- 1.相続の流れ
- 1-1. 死亡届の提出 ※7日以内
- 1-2. 限定承認または相続放棄の手続き ※3ヶ月以内
- 1-3. 親(被相続人)の所得税の申告(準確定申告)※4ヶ月以内
- 1-4. 相続税の申告と納税 ※10ヶ月以内
- 2.不動産に関する相続の流れ
- 3.相続した不動産の税金優遇
1.相続の流れ
1-1.死亡届の提出 ※7日以内
確認すること
- 遺言書があるかどうか、またそれが有効かどうか
- 法定相続人(遺産を引き継ぐ権利がある方)の確認
遺言書がない、もしくは遺言書に指定のない遺産の相続を考える場合、民法で定められた相続人(法定相続人)が相続することになります。 - 借金も含めた遺産の内容・金額の確認
1-2.限定承認または相続放棄の手続き ※3ヶ月以内
遺産を引き継ぐかどうかを決定する。借金が多い場合は相続を放棄することもできる。
1-3.親(被相続人)の所得税の申告(準確定申告)※4ヶ月以内
遺産分割に向けて
- 遺言書がある場合→問題がなければ遺言書の通りに分割
- 遺言書がない場合→法定相続人同士で協議して、決定事項に基づいて遺産分割協議書を作成
- 遺産分割協議書に基づいて相続財産の名義変更手続きなどを行う
1-4.相続税の申告と納税 ※10ヶ月以内
10ヶ月以内に相続税の申告と納税を行う。10ヶ月以内に相続税の申告が間に合わないと延納・物納を選べなくなる。
2.不動産に関する相続の流れ
2-1.相続登記必要書類取得
相続登記必要書類 | |
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お亡くなりの方の 一生分の戸籍謄本 |
お亡くなりの方の出生からお亡くなりになるまでの全部の謄本 |
お亡くなりの方の 住民票の除籍 |
住所・氏名・生年月日・本籍地記載のもの |
相続人の皆様の 戸籍謄本 |
お亡くなりの方の最後の戸籍に相続人の方が同籍されている場合(配偶者や未婚の方)には、当該相続人の方について、別途取得不要 |
相続人の皆様の 住民票 |
住所・氏名・生年月日・本籍地記載のもの |
相続人の皆様の 印鑑証明書 |
遺産分割協議によって財産を分割する場合には、印鑑証明書が必要。なお、当該印鑑証明書の有効期限については、法令上制限がありませんから、 住所・氏名・印鑑に変更がなければ発行後3ヶ月以上経過したものでも可。 |
相続登記すべき不動産の 固定資産税評価証明書 |
市役所で取得できるもの。名古屋市内の場合は納税通知書の写しで代用可。 |
2-2.遺産分割協議書作成・調印
相続財産をどのように分けるかを決めるもの。不動産の売買契約をする際には、後々トラブルにならないようこの遺産分割協議書を結んでから行うようにする。契約書、確認申請と登記名義は関係ない。相続税は登記を基準とするので関係ない。契約書が連名でも登記は単独でできる。
まずは書類をそろえる。誰が相続人となるか決める。遺産分割協議書を作成する。相続登記する。
不動産をスムーズに売却するために、名義については一旦配偶者等、どなたか一人に集約させることをお勧めします。また売却後の現金を相続人の間で分割する前提で、実際に居住している方に名義を寄せることにより、居住用の3,000万円控除を使える等、節税効果につながる場合もあります。また小規模宅地の特例も適用になる可能性もあるので、そのあたりを含めて判断する。また被相続人がその不動産を購入された際の売買契約書が残っているかどうかも確認することで、売却した際の譲渡所得を軽減できる可能性がある。もし売買契約書が古く土地建物の取得費の内訳が書いていない場合は、国税庁のホームページから確認する。
2-3.相続登記
自分で行うこともできるが、基本的には司法書士に依頼する。固定資産評価証明書もしくは評価額の分かる資料があれば相続登記の見積もりをしてもらえる。
3.相続した不動産の売買に伴う税金優遇
3-1.空き家の3,000万円控除
相続日から3年を経過する日の属する12月31日までに条件を満たして譲渡すれば、譲渡益から3,000万円の特別控除が受けられる可能性がある。